認知症とはどのような病気?

認知症とは脳の機能の低下により記憶力や判断力、理解力といった脳の様々な機能が低下していく病気だ。若年性アルツハイマー病もあるが、多くは高齢者が発症しやすく、社会的に問題となっている。

初期のうちは物忘れが激しい、新しいことが覚えられないといった単なる老化と見分けのつかない軽度な症状だが、進行するにつれ家族の顔を見ても誰かわからなかったり、人が変わったようになってしまうといった深刻な症状が現れ、徐々に日常生活も困難になっていく。徘徊や幻覚、妄想などの問題行動も多くなり、家庭での介護には限界があるため介護施設を頼る人も多い。

認知症の高齢者を受け入れる施設としては特別養護老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、グループホームなどがある。サービス付き高齢者向け住宅は自立した生活が可能な比較的軽度な人を対象としており、グループホームは専門の職員により支援を受けながら共同生活を行う場だ。特別養護老人ホームでは原則として要介護3以上の人を対象としており、介護士に加え看護師も常駐していて身体的なケアも可能となっている。

認知症患者が増えるにつれて介護の需要も高まっているが、認知症の専門知識を持った介護スタッフは慢性的な人手不足となっているのが現状だ。認知症患者のケアは通常の老人介護とは違ったスキルが必要だが、最近では、認知症への理解が深く適切な対応ができる能力を持ったことを示す認知症介助士という資格も登場している。